2014年2月11日火曜日

【国内】プログラミング知識不要の開発ツール7選とビジネスモデルの検討

スマホ向けアプリの制作需要増加に伴い、大きな壁となってくるのがプログラミング言語やそれに付随するする技術の習得です。サーバーの設定や実行環境の構築を自動化するなどのクラウド技術の誕生を背景に、プログラミング知識不要でブラウザ上でのアプリケーションの制作を可能にするツールが誕生してきました。
本稿ではその主なサービスを取り上げ、最適なビジネスモデルを検討します。



(1)Yappli -ファストメディア-

2013年4月に立ち上がったサービス。メンバーはYahoo Japan!の出身で、YJキャピタルを引受先に3000万円程度の調達も完了しており、おざーんこと小澤隆生氏も役員に名を連ねている。
サービスの特徴としては、アイコン等ドラッグ&ドロップのみでアプリ制作が完結する他、アプリユーザーの位置情報を識別してプッシュ通知を送信する"ジオプッシュ機能"などがある。日本共産党やcolemanの公式アプリとしても本サービスが採用されている。


(2)アプスタ -ドリームネッツ-

プログラミング不要の開発ツールは、ユーザーがブロックなどを組み立てある程度カスタマイズを行うことができるのが通常なのだが、アプスタの場合、所定のフォームの入力さえすれば、アプリデザインからアイコンの準備、登録手続きまでをすべてアプスタ側で行ってくれる。専用の管理画面も準備でき、ユーザーが"開発"にかける手間はほとんどない。
ビジネスモデルも特徴的で、この手のサービスは定額課金型で、サービスによって開発されたアプリのDL数がいくら増えようとも課金額は変わらないモデルなのだが、アプスタの場合、アプリの開発から100DLまでは無料、以降DL数に応じて、課金の金額が変わる従量課金型の仕組みが整っている。
スタンプカード機能や、クーポン発行などの機能もあり。



(3)スマートキャンバス -ヒトクセ-

本サービスはKDDI∞LABO 4期生に採択されているヒトクセが提供している。HTML5のCanvas機能を使用した当社の独自の技術でブラウザ上のマウス操作のみでスマートフォン向けのWEBアプリ、WEBサイトの制作が完了するの特徴となっている。



(4)JointApps -デジタルハリウッド-


ブロックをつなげていくだけでオリジナルのAndroidアプリを制作できるサービス。アプリを動作させるには「Joint Apps Player」という動作用のアプリをDLする必要あり。小学生向けのワークショップにも利用されていることから、商用向けではなく、知育ツールとして活用するのが望ましい。

(5)アプリビルダー -アムゼネット-

http://app-builder.jp/

HTMLベースのアプリの制作が可能。最終的にソーシャルアプリレベルのコンテンツ制作も実現できるとのこと。ユーザーが作成したアプリに表示される広告スペースの一部を独占し、広告収益を得られるという点が特徴的。


(6)AppExe -モビラス-

ソフトバンクBB社が販売パートナーをつとめる。同社のプレスリリースによると、
  • 企画段階などでの手書きイメージなどをアップロードして画面に取り込める「ワイヤフレーム機能」で、テンプレートなどの制約なしにイメージに合わせた自由なレイアウトが可能。
  • ネイティブアプリの他、HTML5でのアプリケーション作成も可能。
  • 導入企業の既存データベースやFacebook、Twitterとの連携が可能。
  • 多言語対応で、ボタンのテキストなどを英語、中国語、ロシア語、フランス語、スペイン語など約60カ国語に変換可能。
などが大きな特徴といえそう。比較的規模の大きな企業などに向いてそう。


(7)MONACA -アシアル-

こちらはプログラミング知識完全不要というわけではなく、HTML5、JavascriptでAndroid iOS Win8のネイティブアプリを制作できるというサービス。SanSanの名刺管理アプリの「Eignt」も本サービスを用いて制作されている。


プロダクトの自由度と開発の高速化

この手のツールは、フロント側の言語で開発するものと、ブロックの組み立てなどで開発するものの2タイプに分類できる。どちらにせよ、裏側のシステムのことは気にせずプロダクトの開発ができるという利点があります。
HTML5やjavascriptを用いて制作するものは比較的開発における自由度は高いものの、開発おける時間やコストが一定以上かかってしまう。
一方、ドラック&ドロップ形式で制作するものは、開発の時間などは大幅に削減されるものの、その品質は使うサービスの仕様によって左右され、機能も限定的なものにしか提供できなくなってしまう。
こうしたツールを使う際はアプリの目的、運用・改善の手間などを考慮し選択するべきだと思います。

ビジネスモデルは"従量課金型"が望ましい

制作されたアプリのDL数に応じて、課金の金額が変動する従量課金のビジネスモデルの構築が望ましいと思う。本稿で取り上げたサービスはほとんどが定額課金か、無料で提供されていた。100DLであっても、100万DLであっても月に定額で数万しか入らないモデルよりかは、アプスタのように、100DLまで完全無料で、以降はDL数に応じて金額が増加するような方式で、導入のハードルを下げて多くのユーザーを獲得し、ヘビーユーザーになるほど課金する仕組みを築くほうが事業のスケールが見込めると考える。